『月の裏側へ』

馬込将充 月の裏側へ

『月の裏側へ』
馬込将充


DATE:
2022.11.12(土)- 11.27(日)
13:00 – 18:00   ※イベント日のみ延長


休廊日:
火、木曜日


作家在廊日、トークイベントの日程は現在調整中につき、
今後Instagramをご確認ください。


C7C cafe and sweets

展示期間中 2022.11.12(土)- 11.27(日) はOPEN。


馬込将充 月の裏側へ

目の前のいまに結晶している、目には見えない過去の時間、日々の錘、未来への足どり。
馬込将充、初写真集


一見、私的な関係性や身の回りの風景を綴った写真には、光と影、存在と揺らぎが、静かにつよく同居する。目の前のいまに結晶している、目には見えない過去の時間、日々の錘や潜熱、未来への足どり。それらを眼差そうとして、写真が生まれた。

写された場所の多くは、人と建物が共に在るありふれた光景―建物は人が構築し人を護りつつ、同時に人を閉ざすものにも見える。その窓は、ひとつひとつに生活を灯しながら、一方で固有のものを覆い隠す。

身体と環境、個と街とのあいだに生じる親愛と軋みを通して、写真は世界に向き合おうとする。そこに静かに写し出される痛みや憧憬は、時間を跨ぎ、個を超えて息づく。

白い表紙と剥き出しの背の表情に、複雑な糸が覗く。月と地球のように光と影は離れられず、その裏側への深い希求を湛えた初写真集。



月の裏側、僕らの位置からは見えないとされているそのメタファーは、ページを捲るたび、新たな意味を帯びていく。 日々に満ちているはずの刹那の祈りは、刮目されるその時、重力を受けながら光を纏い、瞬く。その祈りとは、ここに写っている人・物・風景と、あなた、その交わりで立ちあらわれる何かの異名に他ならない。 あまりの眩しさに一度目を閉じる、ずっと探していたものが瞼の裏に焼き付いている。

 『月の裏側へ』帯文より─  島口大樹(小説家)


作家プロフィール

馬込 将充
Instagram:magome_0108
HP:http://hiroyoshitomite.net/

1993年生まれ。2016年、武蔵野美術大学映像学科卒業。第13回写真 1_WALL にて審査員奨励賞。第14回写真 1_WALL ファイナリスト。