A=A / A≠A’

東地 雄一郎    EXHIBITON
A=A / A≠A’

201710.24.Tue – 11.5.Sun

11.4.Sat アーティスト・トーク 19:00 start
参加要予約 c7c@cmbmc.com (参加費無料)

アーティスト東地雄一郎、アート批評家の山﨑 美穂、ギャリー・プシュケ主催であり写真家の安野 亨.

東地 雄一郎の複写の世界(コピーと写真について)を皆様と言語化しながら、コピーの正体を暴きたいと思います。皆様のご参加をお待ちしております。

1枚の写真プリントAを2000回繰り返しコピーしたもの。A=A’が期待される複製行為を極限まで繰り返して差異を増大させることで、偽物A’がコピーの概念を超えたあたらしい価値Bを作り出す。一般に、1枚の写真AをコピーしたA’はAと等価値として扱うが、統計学的にコピーしたことが確定する2000回の作業を通すことで、 詳細に観察しないと確認できなかったAとA’の差異が増大し、等価値として扱うことができなくなる。 ゆえに、複製機器として一般的に使用されているコピー機で複製しても 等価値として扱えないほどの大きなズレを抽出してまうことが明らかとなった。一般的な価値観では、コピー元である1枚の写真Aが本物という価値があり、コピーされたものA’は偽物で(本物に対して)価値がないとされるが、コピー元との差異が小さく同じ姿か類似することが前提にある。2000回のコピーで差異が差異でなくなった場合、コピー元Aに対する価値が判定できなくなるため、 偽物A’はコピーの概念から解放され、あたらしい価値Bに生まれ変わることができる。この作品は、量子力学のワグナーの友人というパラドックスと同じ論理構造であり、この写真AとコピーしたA’は、観察者の観点とその基準(期待値)を設定しないと比較することができない。観点をきめている観察者とその期待値に支配されている。物理学者のユージン・ワーグナーによると、もし、誰かが自分をみることで自分が生きていることが確定するならば、自分はその誰かによって存在する。その誰かは、別のだれかがみることができれば、その誰かは別の誰かによって存在すると。 ワグナーの友人という思考パラドックスである。